【AJ Spotlight】町家だからこそ生まれる、滞在のかたち。一棟一棟と向き合う町家再生
日本では、少子高齢化や人口移動、相続などさまざまな要因を背景に、空き家の増加が社会課題となっています。総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%にのぼり、いずれも過去最高となりました。一方、空き家の中には、地域の歴史や文化、そこに暮らしてきた人々の営みを今に伝える町家もあります。
株式会社エイジェーインターブリッジ(以下、当社)は、こうした空き家を「壊す」のではなく「活かす」という選択のもと、町家をはじめとする歴史的建築を宿泊施設として再生してきました。2009年の創業以来、この取り組みを事業の柱の一つとし、現在は京都・金沢・飛騨高山の3地域で約140棟の一棟貸し町家やデザイナーズ町家ホテルを展開しています。
一棟一棟を見極め、町家を再生する
町家は一棟一棟、建物のつくりや状態、意匠、これまで歩んできた歴史が異なります。当社では、一律の工程を当てはめるのではなく、それぞれの町家の特徴を丁寧に見極めています。既存の建物や素材を活かすだけでなく、伝統的な意匠や工法、受け継がれてきた職人の技術を取り入れながら、その魅力を引き出す空間を設計しています。
一方で、歴史ある町家を宿泊施設として活用するためには、現代の滞在に必要な設備や機能を取り入れることも欠かせません。これまで国内外からお客様を迎えてきた経験から得たノウハウを企画・設計に取り入れています。海外のお客様を含む多様なゲストの嗜好や。ライフスタイルにも目を向けながら、町家の魅力と現代の快適性を両立させています。
また、当社では町家の再生・企画・設計だけでなく、宿泊施設としての運営まで一貫して行っています。実際の運営を通じて得られるお客様の声や日々の気づきを次の企画や空間づくりに反映することで、一棟一棟異なる町家に合った滞在のかたちを追求しています。

「町家宿泊体験」を通じて、日本文化との出会いをつくる
町家には、建築だけでなく、そこに暮らしてきた人々の知恵や美意識、地域の風土が刻まれています。梁や土壁、坪庭、建具といった日本建築の細部に触れ、季節の光や風を感じる。地域の街並みを歩き、その土地ならではの食や文化に出会う。こうした体験を通じて、日本文化をより身近に感じてもらうことも、町家を宿泊施設として活用する意義の一つだと当社は考えています。
町家に泊まることそのものが、その土地の文化や暮らしに触れるきっかけとなる。日常とは異なる空間で過ごす時間を通じて、日本の美意識や文化に触れられることも、町家宿ならではの魅力です。町家宿の運営に加え、文化・食体験の創出や、旅をより豊かにする情報発信などにも取り組みながら、日本で過ごす時間そのものの価値を高めることを目指しています。

町家とともに、日本文化を未来へ
一棟の町家を宿として再生することから始まった当社の取り組みは、京都から金沢、飛騨高山へと広がってきました。町家を残すだけではなく「活かす」。一棟一棟と向き合い、そこに新たな人の流れを生み出すことで、町家と地域に受け継がれてきた歴史や文化を次の時代へつないでいく。これからも当社は、町家宿泊という体験を通じて日本文化の素晴らしさを世界へ伝え、日本と世界をつなぐ架け橋となることを目指してまいります。
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